こんにちは!
モリシタ・アット・リフォーム、
設計担当の石堂です。
早いもので1月ももう半ば過ぎ、
寒い日が続いて、自転車通勤の私にはつらい毎日ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日、1月17日は阪神淡路大信震災の発生した日です。
今から26年前の1995年の今日、
マグニチュード7.3、最大震度7の大地震が阪神地方を襲いました。
多くの建物が地震の影響で倒壊し、
これを機に建築の耐震への考え方も大きく変化した出来事です。
【日本の地震と耐震性にかかわる法律の移り変わり】
現在の建物の構造については、
「建築基準法」という法律の下に定められています。
これは、1950年に施行されたのですが、
1948年の「福井地震(マグニチュード7.1)」の際の被害調査から、
建物全体の壁の量が、地震被害に大きく影響していることがわかり、
はじめて「壁量計算」が導入されたものでした。
木造住宅における必要壁量の規定はその後も逐一見直しがされましたが、
大きく変化があったのが、1978年の「宮城沖地震(マグニチュード7.4)」の影響でした。
この地震では、全半壊の建物が7000戸以上にのぼり、
家屋倒壊の被害が甚大となりました。
結果、建物の必要壁量についてが大幅に強化され、
1981年(昭和56年)に「新耐震設計法」として施行されました。
いわゆる「新耐震基準」と呼ばれるもので、
1981年以降に建てられた建物かどうかで、
耐震性が大きく変わるとされる基準となっています。
また、余談ですが、「宮城沖地震」ではブロック塀の倒壊による人的被害も多く出たため、
ブロック塀についての基準も見直されています。
そして1995年の「阪神淡路大震災」によって、
耐力壁のバランスの良い配置についての検証法や、
柱や梁の接合部の強化が見直されることとなり、
2000年(平成12年)に「建築基準法」が改正されました。
これが、2021年現在も建物を建てる時の基準となっています。
【震度とマグニチュード】
地震が起きた時に、ニュースなどでは、
「震度○○」、「マグニチュード○○」と表現されていますが、
震度とマグニチュードは全然別の指標です。
まず「震度」ですが、これはある特定の地域の地震の強さを表します。
これは気象庁等が各地に設置した震度計で計測するのですが、
例えば阪神淡路大震災では、
東灘区住吉で震度7、神戸で震度6、姫路で震度4が計測されています。
数字が大きくなるほど地震による揺れが大きくなります。
つぎに「マグニチュード」ですが、これは地震の規模(エネルギー)を表します。
一つの地震につき一つの数値で表すことになりますので、
震度のように地域によって変わることはありません。
マグニチュードは基本的に規模が大きくなると、数字が大きくなりますが、
エネルギーの違いでいうと、
マグニチュードが0.2大きくなるとエネルギーは2倍、
1.0大きくなると32倍、2.0大きくなると約1,000倍もエネルギーが大きくなるといわれます。
震度とマグニチュードをわかりやすく例える場合、
照明器具がわかりやすいといわれます。
マグニチュードは照明器具の自体の光の強さ、
震度は部屋の中のある地点の明るさだと思ってください。
照明器具の光の強さ(マグニチュード)が強いと、
離れていても明るさ(震度)は高くなりますし、
照明器具の光の強さ(マグニチュード)が弱くても、
照明に近い位置ですと明るさ(震度)は強くなります。
【建物の耐震性と地震について】
先ほど申し上げたように、震度は揺れ、マグニチュードは規模を表しますので、
耐震性についてはどれくらいの震度に耐えられるか、を見ることになります。
耐震改修の設計を行うときは、建物の耐震性を「上部構造評点」で表すことになりますが、
これは「極めてまれに起こる大地震」にたいして、
1.5以上で「倒壊しない」、1.0以上1.5未満で「一応倒壊しない」
0.7以上1.0未満で「倒壊する可能性がある」、
0.7未満で「倒壊する可能性が高い」ことを表します。
ここでよくご質問を受けるのが、
「極めてまれに起こる大地震」はどれくらいのものを想定しているの?というご質問です。
実はこれについては、「マグニチュードいくら」とか「震度いくら」という決まりがなく、
非常にあいまいな表現になっています。
一般的にな見解としては、建物が建てられてから取り壊すまでの間を50年間くらいとした場合、
一度は訪れるであろう大地震は震度6から震度7程度、とされています。
ですので、「上部構造評点」については、
震度6から震度7程度を想定した診断結果になります。
実際、「上部項構造評点1.0」の場合は、
「建築基準法」における使用規定の耐震性能を、
ギリギリ満たすか満たさないかの性能になる場合が多いです。
そのため、余裕があれば高い評点で設計することが望ましいと言われています。
【最後に】
本日は震災の日ということで、耐震についてのお話をさせていただきました。
実際、自然の力というのは人の想像を超える大きな力です。
今後、自分が携わったリフォーム・リノベーションによって、
大切な人の命を守れる家が一棟でも増えればいいな、と思った一日でした。
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