こんにちは!
設計担当の石堂です。
今回ご紹介するのは基礎の補強工事です。
基礎と言えば構造上大切な部分で、
ここが弱いと家が傾いたり、建物全体が地震の影響を大きく受けたりします。
今では鉄筋コンクリート造の基礎が主流になっていますが、
昔は、基礎に鉄筋がなく、コンクリートだけの基礎となっていることがほとんどでした。
また、鉄筋コンクリートの基礎でも、コンクリートが薄いとそこがひび割れ、
中の鉄筋を錆びさせてしまい基礎が大きく割れてしまうようなこともあります。
そんな基礎を補強する方法として、「アラミド繊維によるコンクリートの補強」があります。
高速道路や、鉄道の橋梁の補強に使われていましたが、
最近では住宅でも使用する機会が増えてきました。
鉄筋の替わりに、粘り強いアラミド繊維で補強することで、
無筋コンクリートや、傷んだ鉄筋コンクリートでも、
従来の鉄筋コンクリートのような強度が発揮されます。
工期も短く、部分的な補修であれば、1日で完了します。
今回の現場は、既存の鉄筋コンクリートの鉄筋がさび、
コンクリートが大きく割れていました。
↑コンクリートが割れて、錆びた鉄筋がむき出しになっている様子
↑鉄筋は露出していないが、錆びた鉄筋が膨らみ、
コンクリートが浮いてしまっている様子
錆びた鉄筋をそのままにしておくと、
今後さらに露出していない部分まで錆が広がりますので、
コンクリートを大きめに撤去し、悪くなった鉄筋を除去します。
↑コンクリートを割って鉄筋の状態をたしかめている様子
さらに健全な鉄筋部分まで露出させてから、
基礎を平らに成型しなおし、アラミド繊維を貼り付けます。
最後は補強跡が目立ちにくいように、塗装して仕上げます。
今回は既存の基礎の補修と劣化部の補強のための工事でしたが、
無筋コンクリートの場合は耐力壁の下の基礎の補強として用いられるため、
耐震補強工事でも利用します。
また、床下での作業も可能なので、
床を解体せずにそのまま床下の基礎の補強工事も可能です。
お家の劣化対策や、耐震補強の際に効果を発揮する工事となっていますので、
それらの工事と併せて行うことをお勧めします。
工期:1日
金額:20万~※既存の状態によります