こんにちは!設計担当のの石堂です。
梅雨も終わりに近づき、ムシムシした日が続きます。
当社でも、6月よりクールビズ期間に入っていますが、
暑がりの私は、どこに行くにもウチワとタオルが離せません。
熱中症には気を付けないといけない時期になってきましたね。。。
話は変わりますが、先日、大阪北部を中心に大きな地震が起こりました。
みなさまの中にも、生活に影響が出てしまわれた方もおられるかと思います。
そんな中、ブロック塀の倒壊が大きなニュースになっていました。
倒壊が起きたのが学校で、児童が犠牲になってしまったことと、
ブロック塀の違法性が取り上げられていましたが、
今回は、ブロック塀の構造と安全性について確認したいと思います。
今回倒壊したブロック塀についてですが、いろんな報道で映像や画像が出ていましたが、
鉄筋がかろうじて確認できるものがあります。
また、倒壊し路上に落下した塀がバラバラになっていないことから、
ある程度は鉄筋が入っておりブロック同士が一体となる構造であったように思います。
そのため、倒壊した塀は補強コンクリートブロック造であったのではないでしょうか。
補強コンクリートブロック造の塀の規定は、
一 高さは2.2m以下とすること。
二 厚さは15cm以上とすること。
三 壁頂、基礎には横に、壁の端部等には縦に鉄筋を配置すること
四 壁内には80cm以下の間隔で縦横に鉄筋を配置すること
五 高さが1.2mを超える場合、3.4m以下ごとに、高さの1/5以上突出した控え壁を設けること
六 鉄筋の端部はかぎ状に折り曲げて縦横の鉄筋に定着すること
等、細かく定められています。
今回の倒壊で問題とされているのが控え壁の有無と鉄筋の配置についてですです。
多くの報道でも発表されているように、倒壊した壁には控え壁が全く配置されていませんでした。
また、基礎部分から壁内に差し込まれた鉄筋も壁の上部までなければならないところ、
20㎝程しかなかったということです。
これでは、地震が起きたときに倒壊してもおかしくありません。
上記のようにコンクリートブロック塀の基準が細かく定められたのには理由があります。
1978年に起きた宮城県沖地震です。今から40年前の地震です。
この地震ではマグニチュード7.4、最大震度5を記録し、
28名の死者を出しましたが、そのうち、18名の方がブロック塀や門柱の倒壊による圧死となっています。
これを受けて、建築基準法の法改正が進み、1981年(昭和56年)の改正で、
上記のコンクリートブロックの基準が定められました。
今回の小学校のブロック塀は1977の卒業アルバムでは存在が確認されたとのことで、
1981年の法改正が行われた時点ですでに建築済みでした。
つまり、法が定められた時点で違法となった建築物であるということです。
このような建物は「既存不適格」と言われ、
建築基準法上では、大まかに言えば違法ではないとされます。
昔の基準で建てられた建物は、建てられた当時の基準に基づいていれば、
現在の基準に適合していなくてもいい、とされています。
ただ、今回の建物は「学校施設」にあたります。
学校など、不特定多数の人が利用する建物は、
定期的に建物について点検し、行政に報告する義務があります。
他にも、ブロック塀の危険性は様々なところで指摘されてきたようですが、
改修されることもなく、今回の震災による犠牲者を生み出す結果につながりました。
…このように、今回はブロック塀について取り上げましたが、
今回の地震では、他にも家具の倒壊などで亡くなられた方もいらっしゃいます。
地震では大きな力が働きますので、
建物自体や、その中・外問わず、思いもしない所から被害は発生します。
私も普段は、お客様のお家の耐震性を確認することが多いのですが、
建物だけでなく、地震で被害を受けそうなところすべてを確認・改善提案していこうと感じました。
最後になりますが、
今回犠牲になられた方々に、心から哀悼の意を表するとともに、
皆様の安全と一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
ご質問やお問い合わせは、ぜひこちらまで。
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