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この羽アリはシロアリ!? 見分け方を解説します
今回は、羽アリを発見した際の、シロアリと普通のアリの見分け方について解説します。
お客様から、「羽アリが家の中にいたけどシロアリかな?」というお問い合わせをいただくことがあります。普通のアリなのかシロアリなのか、見分けるポイントについてご説明していきたいと思います。
シロアリは、普段は土の中や床下など人の目に触れない所で生息しています。なので、実際に目で見ることはほとんどありません。唯一人の目に触れるのが、羽アリになった状態です。そのため、「羽アリがいたらシロアリじゃないか?」とご心配されるのだと思いますが、3つの特徴でシロアリか普通のアリかを見分けることができます。
1つは触覚です。普通のアリの触覚は「くの字」で、シロアリは数珠状になっています。手に取って見てもらうとわかりやすいかなと思います。
もう1つは羽の形です。普通のアリの羽は、前の羽と後ろの羽の大きさが違います。前の羽の方が大きいです。シロアリの羽は、4枚ともほぼ同じぐらいの大きさです。見慣れていれば、パッと見てわかるほどです。
最後に腰です。普通のアリはみなさんご存知だと思いますが、ボンキュッボンとくびれていますよね。シロアリはくびれがなく寸胴です。これらの3つの大きな特徴が、見分けるポイントです。
また、羽アリは特定の時期に飛びます。日本に多く生息しているのが、ヤマトシロアリとイエシロアリですが、ヤマトシロアリは4月から5月の昼間に飛びます。一方、イエシロアリはちょっと時期が遅れて、6月から7月の夜間に、群を率いて団体で飛んで街灯に寄っていく習性があります。このように、時期的なもので覚えていただくのもいいかなと思います。
次に、シロアリの生息地について紹介します。ヤマトシロアリは北海道北部を除く地域、日本全土に生息しています。イエシロアリは千葉県より西側、しかも温暖な海岸線に沿った地域にいることが多いです。私が住んでいる姫路は、イエシロアリもヤマトシロアリも生息してる地域になります。
ここまで、普通のアリとシロアリの見分け方についてご説明しました。ここで、シロアリはどういう習性があるのかについて、ご説明をしていきたいと思います。
シロアリは、主にどんなものを加害するのか。お家で言うと、やはり一番は木材ですね。生きている樹木はもちろん、種類によっては乾燥した木材も加害します。あとは、農作物やプラスチック・ゴム類・繊維・皮革・動物の死骸なんかも食べるようです。レンガやコンクリート、金属類で言うと鉛などの柔らかい金属も食べるという報告があります。
畳なんかも、お客様のお家にお伺いすると、シロアリの被害に遭っていることがあります。床下から上がってきて、畳も食い散らかしているのです。プラスチックで言うと、発泡系のウレタン断熱材みたいなものを木材よりも好んで食べることもあるみたいなので、知っておいていただけたらと思います。
ヤマトシロアリとイエシロアリが日本に大きく分布していることをお伝えしましたが、当然他にもいます。22種類ぐらいあるみたいですが、ここでは代表的な2種類の特徴をご説明します。
ヤマトシロアリは湿潤な所(湿気ている所)が大好きで、湿った木材や土の中で生活していることが多いです。イエシロアリのように、すごい量の団体では生活していません。主に建物の下部、床下や湿気ている所が好きなので、乾燥してる所を嫌います。腐朽と同時に加害されることが多いので、水回り(浴室回り・洗面)などが被害に遭うケースが多いです。
一方イエシロアリは、建物や土の中に巣を作って、数でいうと数十万匹から多いもので100万匹の団体で生活します。多くのシロアリが一緒に生活しているので、加害していく速度もとても速く、被害は激烈になります。
乾燥した木材でも、水を自分で運んで湿らせて加害していく習性があります。そのため、被害に遭うと家の下部だけじゃなく、梁とか柱を伝って食っていって、2階の柱とか被害が家全体に及ぶことがあるので要注意です。
こうしたシロアリから大切な住まいを守るためにできることは何なのか。それは予防です。防蟻処理と言って、床下とか家の周りとか床下の束・大引・根太に対して、薬剤の噴霧を定期的に行う必要があります。新築の際は、予めそういう処理をされているような木材で施工されていると思いますが、事前の予防が一番大切です。
あとは早期発見です。イエシロアリは被害の速度も速いし、家全体を食べられてしまう可能性もあるため、なるべく早く発見することがポイントかなと思います。
そのためには定期的な床下診断や、信頼できる業者さんへの相談をお願いします。冒頭で説明した3つの特徴を踏まえて、ご自身で羽アリを見つけた時は「これはシロアリなのか普通のアリなのか」判断していただくのも手です。
それでも不安だなと思ったら、専門家へ早めに相談していただければ、より正確に被害状況が確認できます。シロアリじゃないこともあるので、不安な時は躊躇せず依頼されたらいいと思います。
床下は目に見えない所なので、ピンポンとインターホンを鳴らして来るような悪徳業者さんもいるようです。このような業者さんが悪いとまでは言いませんが、「この間 家に来て困った」ということもお客さんから聞いたりするので、気をつけていただければと思います。
ぜひ参考にしてみてください。