動画紹介
住宅エコリフォーム推進事業を解説します
※「住宅エコリフォーム推進事業」は、7/3に予算枠が上限となり締切となりました。その他の補助金や今後発表される補助金も、早めにお申し込みされることをオススメいたします。
今回の動画では、住宅エコリフォーム推進事業(令和5年版)についてご紹介します。
この事業は、開口部(窓・玄関ドア)を断熱性や省エネ性能の高いものに変えて、「ZEHレベル」まで引き上げることによって補助が受けられるという補助金制度です。
開口部をリフォームすることによって、付随して高効率給湯陶器・高断熱浴槽・節湯水栓への取り替え、壁や天井・床への断熱材の挿入やLED照明の取り付けなどにも使える補助金になっております。
この補助金自体は昨年(令和4年)もありましたが、若干変更があります。まず1つ目の大きなポイントとして、補助率が40%まで引き上げられました。しかし上限金額が35万円で前年比で少なくなっています。
この事業の大体のスケジュールは、工事の請負契約が令和5年4月1日以降という決まりです。補助金を申請・利用するにあたって、私たちみたいな工務店・ハウスメーカーさんは、国に事業者登録をする必要があります。4月28日から登録申請が始まっていますが、事業者登録をした後に着工できます。
交付申請は着工してからでもいいし、着工する前に交付申請を受けて交付決定されてから着工してもいいのですが、工事完了後に必ず完了実績報告を国にあげてから最終交付額の決定という流れになっていきます。
交付の申請受付はもうすでに始まっていて、令和5年5月26日から遅くとも令和6年1月19日(金)までの予定となっています。しかし予算があるので、予算に達成次第、最終の日にちは繰り上がることが考えられます。完了実績報告の期限もあって、これは令和5年6月23日から令和6年2月29日までの予定です。
住宅エコリフォーム推進事業は全体改修・建て替えにも使えますし、部分的な改修工事にも利用できます。最初に申し上げたように、補助率は上がったけど補助限度額の上限が35万円に引き下げられているので、どちらかというと部分改修に利用していただくのが現実的かと思います。
どういった建物・住宅が対象になるかを簡単に説明すると、一戸建ての住宅はもちろん長屋とか共同住宅、下宿もしくは寄宿舎・別荘・賃貸住宅・シェアハウス・グループホーム・高齢者専用賃貸住宅なども対象になります。
店舗併用住宅の場合は、店舗等の延べ面積が2分の1未満のものは対象になります。住宅部分の省エネ改修のみ補助の対象です。空き家や増築部分も対象になります。
工場を発注される方は、法人・個人・管理組合さんも対象になります。ほとんどの方がこの補助金を受けることができるということです。
この補助金を利用するためには必須の工事があります。開口部の断熱改修です。窓と玄関ドアでもいいし、3ヵ所・4ヵ所でもいいけど、必ず開口部の断熱改修を2ヵ所以上するという必須要件です。その要件を満たすと、高効率給湯器(エコキュートなど)や浴室リフォームの高断熱浴槽・節湯水栓が対象になります。
ここでポイントです。今言ったエコキュート・高断熱浴槽・節湯水栓は、3つセットでリフォームしないと補助が受けられません。しかし、工事前に既に高効率給湯器を設置していることを証明できる場合は、申請の対象になることもあります。
注意してほしいのが、耐震基準が必須ということです。昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物が条件になっています。それ以前の建物は旧耐震基準になり、今回の補助の対象外です。ただし、計画的に耐震工事をする予定があるということを証明するものがあれば、補助を受けられる可能性があります。
他にもリフォームに使える補助金がたくさんあります。それらと今回の補助金を併用して利用できるかと言うと、1つの契約・工事の中での併用はできません。
ただ、国の補助金制度の場合、工事契約も別で工期も別という場合は併用できます。また、地方公共団体の補助制度で国費が充当されていないものは併用が可能になるので、その辺は各自治体の確認してみてください。
ここからは部分改修に絞って具体的に説明していきます。今回の補助金はモデル工事費という、国が定めている概算の工事金額があります。それと実際に工事する時の工事費用の、どちらか低い金額の40%が補助額となります。
しかしここでもポイントがあります。壁・床の断熱は工事をせず、省エネの設備を導入したとして、開口部の補助額が10万円だったとすると、それと同額かそれ以下でなければいけません。
つまり、省エネ設備の補助額の上限が、開口部の補助金よりも多くなるとダメなのです。仮に省エネ設備の補助額が15万円の計算になっても、窓の補助額が10万円だったら、10万円が上限になるという考え方になります。
具体的にモデル工事費をご紹介します。リフォームでよくある内窓の設置です。2.8㎡以上の掃き出し窓は、モデル工事費は24万8千円になります。小さなサイズなら16万円、中ぐらいのサイズなら19.2万円と定められていて、実際の工事費と比べてモデル工事費の方が低ければ、モデル工事費を基準に補助額が決まります。
ちなみに今、「先進的窓リノベ」という事業があります。そちらも多くの方が活用されていると思いますが、何ヵ所かだけ窓交換をしようと考えていらっしゃる方は、住宅エコリフォーム推進事業でも結構な補助金額になるのでメリットがあります。
特に親子ドアみたいな大きいサイズのドア交換は、36万円がモデル工事費なので、ドアの交換と内窓工事をするとドアだけで10何万円もらえて、メリットが大きいのです。
玄関ドアの補助金で言うと、「こどもエコすまい支援事業」などの補助制度もあるんですけど、それとは比べ物にならないぐらいの補助が出るので、玄関ドアの交換をお考えの方には特にメリットのある補助金になっていると思います。
ざっとご説明しましたが、最後にまとめて覚えておいてほしいのは、開口部の改修は必須工事で、2ヵ所以上改修が必要なこと。モデル工事費と実際の工事費の低い方が、補助額の基準になること。省エネ設備の補助は、開口部に付随して壁・天井・床の断熱工事の補助額をプラスした合計よりも、同額かそれ以下にしないといけないこと。ちょっと難しいですが、覚えておいていただきたいポイントです。
最後は実際の活用例を元に、どれぐらい補助が見込まれるのかシミュレーション結果を見ていきます。大きい玄関ドアの交換と、トイレの小窓に内窓をつけたケースです。今回は付随する省エネ設備等は付けません。
まず玄関ドアの場合、大サイズで36万円で補助率40%なので14.4万円。実際の工事費が44万円かかり、モデル工事費の方が低いためそちらが補助額になります。つまり、14.4万円の補助が玄関ドアに対して下ります。
プラス、トイレの小窓工事はモデル工事費が16万円で、その40%の6.4万円が補助額になります。しかし実際は14万円の工事だったとなると、今度は実際の工事費が補助額になります。つまり、14万円の40%で補助額は5.6万円です。
先ほど言った玄関ドアの14.4万円と、小窓リフォームの5.6万円を足すと、20万円になります。上限は35万円なので、20万円すべて補助限度額内で下ります。
ちなみに「こどもエコすまい支援事業」でも玄関ドアの補助を申請できるので、それと比較した場合にどれぐらいメリットがあるか・違いがあるかを、ざっと見ていきます。
「こどもエコすまい支援事業」で申請した場合、玄関ドア(大)ZEH基準で4.5万円、窓(小)ZEH基準では 2万円になります。合わせて6.5万円です。先ほど計算した補助額は20万円だったので、13.5万円も住宅エコリフォーム推進事業の方が多くなるという試算になります。玄関ドアのリフォームをお考えの方はこれほどのメリットがあるので、ぜひ活用していただけたらと思います。
もう1事例ご紹介します。先ほどの開口部の断熱改修にプラスして、エコ住宅設備をリフォームした事例です。お風呂のリフォームと給湯器を交換した例で、高断熱浴槽を設置してシャワー水栓を節湯水栓にします。プラス、エコキュートを設置した場合です。
高断熱浴槽のモデル工事費が41万6千円と定められていて、その40%なので16.6万円です。シャワー水栓・節湯水栓のモデル工事費が5.7万円となり、その40%なので2.2万円。ヒートポンプ・エコキュートのモデル工事費が26万3千円で、その40%なので10万5千円。足すと29万3千円になります。
ただし、開口部の断熱の補助金と同額か、それ以下にしなさいということなので、29万3千円の補助額が20万円になります。それらにエコ設備を足したら40万円になりました。ここで40万円もらえるかというとそうではなく、補助金の制度の上限が35万円なので、上限MAXの35万円は申請できるという流れになります。
とはいえ、玄関ドア・小さな窓・浴室を絡めた給湯器取替のリフォームで35万円まるまる補助金を活用できるとなると、とってもメリットがあるんじゃないかと今説明していても思いました。
この補助金には予算があります。予算が終わり次第終了という形になりますので、そういったことをお考えの方は、近くの工務店さん・リフォーム屋さんにご相談してみてください。
ちなみに、この補助金の名前で検索してもらったら、申請・登録済みの業者さんの一覧が出てきます。最寄の地域で調べれば「あそこの会社さんが登録してるな」というのが一目でわかるようになっているので、そういった情報もインプットしていただければと思います。
リフォームを後押しするような形で、カーボンニュートラルを背景にいろんな補助金が出てきていますので、これらを活用してお得にリフォームしていただけたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。