今回は、古い家に暮らす高齢者の生活をラクにするためのリフォームについてお話したいと思います。

まず、家庭内での事故についてお話しします。調査結果によると、高齢者が家庭内で最も多く遭遇する事故のトップ3は、溺死、窒息、転倒転落です。特に、溺死はヒートショックが原因で多いそうです。窒息は、食べ物が詰まることが原因ですね。これらは、お家の構造とは直接関係ないかもしれませんが、やはり気をつけなければなりません。

次に、転倒転落ですが、これは家の中の段差が原因で起こります。しかし、段差がない場所でも、足を滑らせるなどして事故は起こり得ます。そこで大切なのが、手すりを生活動線上に設置することです。また、火災や火傷、挟まれ事故などもあります。特に、ヒートショックは部屋の温度差が原因で血圧が急激に変動し、脳出血などを引き起こす可能性があります。これは、特に高齢者の方や、小さなお子様がいる家庭で注意が必要ですね。

さて、リフォームのご相談ですが、遠くに住むご家族が高齢者の住む家を心配してリフォームを考えるケースが多いです。特に、タイル張りの寒いお風呂は、夏でも冷たく感じるため、冬はさらに寒さが厳しくなります。そういった場所のリフォームをご相談される方が多いです。また、転倒転落事故を防ぐためにも、家の中の段差をなくしたり、滑りにくい床材を選んだりすることが重要です。身体の衰えは誰にでも訪れるものですから、予防策をしっかりと考えることが大切ですね。

リフォームで考えられる対策としては、ドアの出入り口を変えることも一つの方法です。古い和風の家から洋風の家に変わる中で、ドアの数が増えている家庭も多いですが、ドアを引き戸に変えたり、使いやすいものにするというご要望がよくあります。段差の解消は、さまざまな場所にある古い家では重要な課題です。特に2cmや3cmの段差があるドアの敷居など、必ず段差が存在する場所を対応することができます。そういった段差解消をお勧めします。

また、手すりの取り付けも非常に有効です。安全の観点から言えば、段差がある場所や玄関、廊下、トイレ、洗面所、お風呂などの毎日通る場所や階段に手すりを取り付けることは、特に年を召された方にとって、快適に過ごせる重要な要素です。手すりは介護保険の適用にもなり、自己負担の軽減ができるというメリットもあります。

動線の見直しも大切です。動線を短くして、快適に暮らしていくことが重要です。例えば、寝室にトイレや洗面所を新設するなどのリフォームを行い、生活をより便利にすることも可能です。小さな変更でも、暮らしやすさに劇的な改善をもたらすことがあります。玄関にベンチを設置したり、クロークで物を整理したりするなど、リフォームを通じて日常生活を整える提案もあります。また、トイレの位置を変更することで、より使いやすい環境を作ることができます。スペースを広げたり、車椅子や介護が必要な時に対応したりすることも考慮されます。

さらに、2階の寝室を1階に移動するなどのリフォームもよくあります。階段の昇り降りが困難になった方にとって、この種の変更は安全性と利便性を高めます。

断熱に関しても、窓の断熱化は冬の暖房と夏の冷房に効果があります。内窓の設置や、アルミ窓から樹脂窓への変更、単板ガラスから複層ガラスやトリプルガラスにすることなどがお勧めです。

加えて、浴室やトイレに暖房器具を取り付けることも考慮されるべきです。特に、タイルのお風呂からユニットバスに変更する際には、窓の断熱と暖房器具の設置が重要です。これにより、ヒートショックを防ぎ、安全に生活するための環境を整えることができます。寒さを感じることなく、快適に過ごせるようになりますので、ぜひ検討されることをお勧めします。

あとは、玄関のスロープですね。今、段差があって、手すりはつけてあるけれど、ちょっと登るのがしんどいということであれば、スロープを作ることをお勧めします。そうすると、ゆっくりと安全に家の中に入ったり出たりすることができます。

使いやすい収納の件も大事です。ちょっと高い場所に物があったり、取りにくい、取り出しにくいという問題がある場合は、使いやすい収納に変えていくことをお勧めします。また、防犯の強化も重要です。今、武装している状況で、快適に長くお住まいになるためには、この観点も大事だと思います。

さらに、断熱と複合して省エネについても触れたいと思います。長く経済的に安全に進んでいくためには、これらの点も不可欠です。大きなリフォームも小さなリフォームも、その時々の自分の状況に合ったリフォームを我慢することなく行い、快適に暮らすことが大切です。

今回の動画が少しでも参考になればと思います。